「ツメ」と「柱」
今回は「ツメ」と「柱」について、お話しさせていただきます。
「ツメ」とは、ページの小口(本を開く側)に配置される見出しやタイトルのことです(「小口見出し」と表現されることもあります)。辞書、カタログをイメージすると分かりやすいかもしれません。本の章や節のタイトル、あるいは主要なテーマを簡潔に示しており、ページを探すときの検索性、利便性を高めます。「インデックス」と呼ばれたりもします。
「柱」とは、版面外の上下の余白に配置される書名や章、節のタイトルなどのことです。一般的な書籍でよく見受けられます。奇数ページと偶数ページの両方に柱を配置する「両柱」と、片方のページ(主に奇数ページ)のみに配置する「片柱」があります。こちらも読者にとって、ページを探すときの検索性、視認性を高めます。
校正のポイントとしては3点挙げられます。
・【内容の整合性】
ツメ・柱に記載されている項目名が当該ページのものとして誤りがないか確認します。カタログなど場合、ツメに書かれているジャンル名とそのページに掲載されている商品のジャンルが合致しているか整合性を見ます。
書名や章、節のタイトルに変更が生じた場合は、ツメと柱に波及しますので、その点が正しく連動しているかチェックします。
・【位置の確認】
1冊を通して、すべて同様に正しい位置にあるか確認します。カタログなど何度も修正を繰り返すものは、1ページだけ位置がずれてしまうということが起こりがちです。
・【スタイルの一貫性】
1冊を通して、文字スタイルが一貫しているかを確認します。途中で修正が入った際に、その個所のフォントや色が変わる等の齟齬が出てくることがあります。
ツメと柱は、現在ではマスターページでの入力・設定をすることが多いため、ミスが起こりづらく油断しやすくもあります。しかし、辞書やカタログではツメからページを引くことも多く利用頻度は高いので、間違えられない要素となります。校正する際は、俯瞰でみる視点と細部までみる視点が重要です。