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「泣き別れ」

今回は「泣き別れ」についてお話しします。

「泣き別れ」とは出版業界での用語の一つで、一つの語句が、複数の行やページにまたがってしまうことを意味します。

たとえば、以下のような事例です。

 ダウンジャケット 2
 9,800円(税抜)

29,800が「2」と「9,800」とで、離れ離れになってしまっています。

これにより、ダウンジャケットが「9,800円」だと誤認してしまう恐れがあるため、泣き別れは極力避けるべきものとして考えられています。

泣き別れがあることにより、誤認のほか、読みづらい、意味を理解しづらいといったデメリットが生じてしまいます。

泣き別れを避けたい例としては、以下があります。

・固有名詞(人名、企業名、商品名など)

  株式会社文字工
  房燦光

・数字(申込番号、電話番号、年号など)

  1億2
  393万人

・英単語

  proofread
  ing

・ルビのついた熟語

写真とそのキャプション、表とそれについてのコピーが、別々のページにまたがってしまうことも泣き別れの事例の一つと言えます。

こういった泣き別れを避けるには、字間を調節し改行位置を変えたりすることで修正します。

ただ、調整するとどうしても見た目がおかしくなってしまい、極端に字間がパラついてしまうといったこともあります。そういう場合は、無理に直さずそのままにすることもあります。

明らかな誤認を招きそうなときは直すべきですが、それ以外は、文章をより読みやすくするための“提案”として、指摘を入れるようにしましょう。

校正のタイミングとして、泣き別れの指摘を入れる必要があるのはレイアウト後の状態のもののみとなります。

例えば、流し込む前段階のWordのテキストの状態で、「泣き別れ」についての指摘を入れたとしても、正式にレイアウトした際に当然位置は変わってしまうので、指摘は不要となります。

文章を読みやすく、誤読を防ぐために注意すべき「泣き別れ」。
自分の校正作業がどの段階かも意識して、体裁がより良くなるための校正を目指しましょう。

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