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行頭・行末禁則

今回は「行頭・行末禁則」について説明いたします。
前回記事の「泣き別れ」とも類似する内容なのであわせてご覧いただけますと幸いです。

まず「行頭・行末禁則」とは、行頭と行末に特定の文字や記号が来ることを禁止するルールのことです。
特定の文字・記号を行頭や行末に配置すると、文章の意味が分断されたり、読みやすさや文章の整合性が損なわれるおそれがあります。そういったことを避けるための組版上の決まりとなります。

行頭に置かれるべきでない文字のことを「行頭禁則文字」といいます。
具体例としては、以下のようなものがあります。

 【句読点】 。 、
 【閉じ括弧類】 」 】 》 )
 【拗音や拗促音】っ、ぁ、ゃ
 【長音記号】ー
 【同の字点】々
 【中黒】・(語句の並列に使用する中黒)

これらの文字は行の始めに配置されるべきではないとされています。

次に行末に来るべきでない文字のことを「行末禁則文字」といいます。
具体例は以下の通りです。

 【開き括弧類】(「【《

これらは行の終わりに配置されるべきでないとされています。
行末に配置されると、文章の意味が分断されたり、組版の美しさが損なわれる可能性があります。

カタログや雑誌では、書籍のようにこだわりがない限り、句読点や閉じ括弧類あたりは避けているように見受けますが、他の行頭禁則文字については、許容されていることも多くあります。

ただ、意識して調整している工夫が見られる紙面では、校正者としては、拗音・拗促音(っ、ぁ、ゃ)や長音記号(ー)についても、行頭を避ける指摘をするとよいかもしれませんね。

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