「校正の流れ」を知ろう
今まできちんと校正をしたことがありません。校正を依頼してみたいけれど、そもそも校正ってどういう作業をするんですか・・・? このようなお客さまからのお問い合わせ、実は意外に多いんです。
そこで、今回は一般的な「校正の流れ」についてご説明したいと思います。
初校
原稿をレイアウトしたデザインデータをチェックする最初の校正のこと。この段階が校正において一番大切と言っても決して過言ではありません。なぜならば、ここで引っかからなかった誤植は最後まで見つからないなんて恐ろしい話も・・・!
また、初校でしっかりと校正できていないと、この後の校数が増えてしまう原因にもなりかねません。初校で可能な限りたくさんミスを拾っておくのが肝心です。
主な作業内容としては下記のようなものが挙げられます。
■原稿とデザインデータの引き合わせ
原稿通りに過不足なく組まれているか、原稿と校正紙を比較します。
この後の工程で原稿までさかのぼることがほぼないので、ここで作業ミスが発生してしまうと致命的です。
■素読み
誤字や脱字、文法や文脈がおかしくないか、表記は統一されているか、差別語・不快語などの問題表記がないかどうかなど、記載内容を理解しながら読み込みます。
■ファクトチェック
人名・地名・会社名・作品等の固有名詞や、年月日・金額等の数値などが正確かどうか、公式サイトや政府・自治体が発表する資料など、信頼性の高いデータを基に事実を調べます。素読みやファクトチェックは、「校正」ではなく「校閲」と呼ばれたりもします。
■デザインチェック
文字のフォントや大きさ、改行や段落、見出し、引用文などのデザイン的な統一が取れているかのチェックを行います。
■全体の整合性チェック
ヘッダー・フッター・ツメと本文の対応、見出しの連番や図表の合番、参照ページ、目次・索引など、全体を通しての整合性を確認します。
そもそも制作時点で確認している内容に思えるかもしれませんが、実はこれこそが校正会社の腕の見せ所。制作した人とは別の客観的な第三者の視点で校正することで、思いもよらないところに潜んでいた驚くようなミスが見つかることが本当に多いんですよ。
再校(二校/2校)
初校に対して入った修正指示が直っているかを確認する2回目の校正です。主な作業は、赤字照合と指定外変化の確認。修正指示が正しく反映されているか、指示箇所以外に変わってしまったところがないかを一字一句突き合わせて確認します。赤字の内容に応じて、修正指示自体にミスや指示漏れがないかという方針で素読みを行うこともあります。
場合によっては、再校で校正が終わらず、三校、四校・・・と校数を重ねることも。
また、制作者が自分で行う「内校」や、「著者校」(執筆者や関係者による専門校正)や「色校正」(実際の紙とインクで色調確認を行う校正)など、他にも必要に応じてさまざまな校正が発生します。
責了
訂正箇所が少ない場合に印刷所の責任で修正し、校正を終了することを言います。とは言え、この段階で責了とは思えない量の赤字が入ることもしばしば。この段階で「念校」と呼ばれる校正(その名の通り「念のための校正」)を行う場合もあります。
初校時に内容がまだ固まっていない場合や、ページ数の多いカタログなどでは、この段階ではじめて全体の整合性確認を行うこともよくあります。
校了
これ以上修正は入らない、校正が完了した、と宣言すること。いよいよ校正の流れのゴールです。ちなみに、責了や校了後に追加修正が入ってしまうと、印刷現場から冷たい目で見られるとか見られないとか・・・。
このように何段階にもフィルターをかけて、丁寧に校正を重ねていきます。これをすべてライターや編集者、オペレーターが自分で行うのは本当に大変ですよね?
校正を校正専門会社に任せることの一番のメリットは、誤記やレイアウトのミスなど細かい点にとらわれず、文章の内容を深化させたり、デザインのクオリティを追求したりという、編集や制作の本来の仕事に集中できるということです。
皆さまのお役に立てる校正・校閲サービスを色々とご用意しておりますので、まずはお気軽にご相談ください!