校正に必要な道具って?
校正のハナシ

校正作業をスムーズに進めるためには、仕事の内容と自分に合った適切な道具を揃えることが大切です。ということで、今回は校正者が使う道具のお話です。
- 赤ペン
校正といえば、まず赤ペン!原稿通りに組版されていない部分や誤字脱字など、絶対に修正しなくてはならない箇所を指摘するときに使います。 - 赤以外の色付きペン
赤ペンだけでは見づらい場合や補足の指示を入れる際に、青ペンや緑ペンなど他の色を使うことも。地色の濃い箇所に書き込むために、白ペンが実は欠かせない・・・というのは校正者あるあるかもしれません。 - 鉛筆・シャープペンシル・消しゴム
疑問出しや添え書きなどは、鉛筆やシャープペンシルで書き込みます。もちろん消しゴムは良き相棒。実は校正者が持たれる一般的なイメージとは違い、赤ペンよりも出番が多いんです。校正結果をスキャンしてもはっきり読めるように、なるべく濃くきれいな線が書けるものを選ぶのがおすすめです。 - 修正テープ・修正液
急ぎの作業が多い校正現場では、乾かす時間のいらない修正テープが便利。ただ、今では消せるペンが校正の現場でも活躍しているので、出番は少しずつ減ってきているかもしれません。 - 蛍光ペン・ダーマトグラフ
校正済みの箇所をチェックするために使用します。チェック漏れを起こさないための必須アイテム。ちなみに、「ダーマトグラフ」とは太めの色鉛筆のようなもので、軸にミシン目と糸が付いていて、削るのではなく剥いて芯を出します。印刷・校正業界以外ではあまりお目にかからない文房具のひとつですが、「もともとは、皮膚に書く目的で開発され、医者が手術で切開する場所にマークするなどに使用されていたと思われます」とのこと(三菱鉛筆ホームページより引用。ちなみに「ダーマトグラフ」は三菱鉛筆の登録商標です)。基本的にいつも「ダーマト」と略して呼ばれます。 - 定規・物差し
レイアウトの確認や、文字の大きさを測る際に不可欠なツール。特に印刷物の校正では、寸法のチェックが重要になります。 - 辞書(紙・電子・オンライン)
用字用語の確認には辞書が必須。最近では紙よりも電子辞書やオンラインの辞書の方が使われることが多くなってきました。 - 付箋
修正箇所の目印や、後で確認したい部分に貼るのに便利。 - ルーペ(拡大鏡)
小さな文字や細かい印刷のチェックに役立ちます。特にカタログやパンフレットの校正では、細かい部分の確認が欠かせません。 - 電卓
数字の誤りを防ぐために、計算チェックをする際に使用。特に割引率や金額の確認には必須です。 - 指サック
何枚もある校正ゲラをめくる際のマストハブ。指の滑りを防ぎ、スムーズに作業できます。
【番外編】
- パソコン
もはやパソコンを使わない校正というのはほとんどなくなった、といっても過言ではありません。WEBサイトでのファクトチェックから、表記ゆれを探すためのPDF検索、果ては校正作業自体も校正ソフトなどのオンラインツールを駆使する時代。校正者の道具もどんどん進化を続けています。 - 複合機
原稿や校正紙の印刷およびスキャンのために使います。弊社の複合機は、「日本で一番出力している」とメンテナンス業者の方に言われるほどの重労働を日々課せられています(もちろんそんな訳はありません!)。また、昔は郵送でやり取りしていた校正紙も、今やほとんどデータでのやり取り。スキャン機能が付いたプリンタも、在宅校正者の場合には特になくてはならないもののひとつです。
ミスなく効率よく作業を進めるために、他にも色々な道具が校正の現場では使われています。みなさんもぜひ自分のお気に入りの道具を探してみてください。