「校正者」ってなんだろう? ~第1回:校正者を目指すには(後編)~
みなさんこんにちは、文字工房燦光の下重一正です。
本連載では、「校正者ってなんだろう?」というテーマのもとに、校正者にまつわる様々な話題を取り上げていきます。
第1回では「校正者を目指すには」というテーマを取り上げています。
前編に続き、後編は「日本エディタースクールでの学習効果」についてです。
校正者を目指し、日本エディタースクールでの受講を検討している方の多くが、「日本エディタースクールで校正を学ぶことで、本当にプロの校正者になれるのか」という疑問を抱いているかと思います。
その疑問に端的に答えると、「当スクールの講座を受講することで、プロ校正者としてキャリアをスタートできるだけの力が身につく」という回答になります。
実は「校正」と一括りにいっても、そのチェック方法やテクニック、注意点は、媒体や分野ごとに大きな違いがあります。
例えば、モノクロで文字情報が大部分を占める書籍の場合と、カラーで写真など文字以外の情報が多く入るチラシの場合とでは、校正の方法に大きな差異が生じてきます。
これは、書籍とチラシに限らず、カタログやWebサイトの校正、その他、あらゆる分野の校正でも同様で、「なにを、どうやって、どのような読者に伝えたいのか」という考えの違いが存在する分、校正の着眼点も異なってきます。
したがって、すべての分野の校正テクニックを限られた講義時間の中で網羅することは現実的ではありません。各分野に必要な個別のテクニックや知識は、実務の中でキャッチアップすることになる、ということになります。
そうした中、当スクールでは一番の土台となり、かつ厳密なルールが求められる「出版物の校正」について学ぶことになります。
文字工房燦光の求人には、日本エディタースクールの修了生に限らず校正の実務経験者も数多く応募いただいております。しかし、実際その試験結果を見ると、実務経験者よりも実務未経験者であるスクールの修了生のほうが、原稿引合せなどの基礎力については明らかに上回っているという傾向があります。(もちろん、応募者によってはその限りではありません)
各分野ごとの細かな知識等は後からでも習得できますが、根幹となる基礎力は一朝一夕で身につくものではありません。そのため、当スクールで学ぶことは校正者としてのキャリアを築くうえでの土台となるはずです。
校正者は、その実力で仕事を判断される、ある意味シビアな世界ですが、一生かかっても学びきることのない、やりがいのある仕事でもあります。
「校正者を一生の仕事にしてみたい」という気持ちがある方は、ぜひ日本エディタースクールの門戸を叩いてみてください。みなさんを校正者のスタート地点まで導いてくれるかと思います。